鉄のリサイクルをはじめ、鉄を加工するのに欠かせないものが熱だね。
高温で鉄は変化して、さまざまな形に変わることが出来るんだったよね。
鉄の固まり=つまり固体(こたい)がドロドロの鉄=つまり液体に変わる温度(融点(ゆうてん)といいます)はだいたい1500度以上。
その温度まで熱するためにコークスを使って蒸し焼きにするんだったね。
では、他の金属はどうなんだろう。
ちょっと見てみよう。

固体から液体に変わる温度を見てみよう。
金属は全体的には高い温度でないと液体にならないものが多いね。
中には普通の気温では液体という金属もあるんだ。代表的なものが水銀、体温計に使われているよ(マイナス38度にならないと固まらない)。
逆にもっともっと高温にならないと液体にならない金属の代表がタンタルというもので、あまり有名じゃないけどスマートフォンやゲーム機、パソコンの部品の一部に使われているんだ(約3000度にならないと液体にならない)。


鉄を溶(と)かすための大きな装置(そうち)は、江戸(えど)時代末期にはすでに開発され、使用されていたんだ。
熱風を壁(かべ)や天井に反射(はんしゃ)させて、別の部屋に置いて鉄や銅(どう)に送り、溶かしていたので、「反射炉(はんしゃろ)」と名づけられたんだよ。
実験用に作られたものを含めて、佐賀県佐賀市の築地(ついじ)反射炉、静岡県伊豆の国市の韮山(にらやま)反射炉、茨城県ひたちなか市の水戸藩営大砲鋳造所(みとはんえいたいほうちゅうぞうじょ)、鹿児島市鹿児島市の集成館(しゅうせいかん)、東京都北区の滝野川(たきのがわ)反射炉、福岡県北九州市の官営八幡製鐵所(かんえいやはたせいてつしょ、かんえいやわたせいてつしょ)、山口県萩市の萩(はぎ)反射炉などが作られたんだ。
その目的は、鉄砲や大砲(たいほう)づくり。
町では当然、リサイクルも始まっていたんだ。
現在、韮山反射炉と萩反射炉が遺跡として残されていて世界遺産になっているんだよ。