日頃(ひごろ)、キミたちが見ている鉄は、固まっているね。
それを固体(こたい)と言うんだ、学校で習ったかな?
工場でのようすを見た時に出てきた赤い熱そうなドロドロした鉄は、液体(えきたい)だね。
このことは、前のコーナーでも学習した。
で、そもそも固体と液体ってなんだんだ?
水みたいに流れるものが液体? 氷は?
実は、見た目の形でもだいたいはわかるんだけど、もっと中を見ないといけないんだ。
そこには温度も関係しているんだ。
ものすごく、簡単(かんたん)にわかりやすく説明するとね。
モノを作っている大元には分子というのがあって、その分子の並(なら)び方や動きによって固体とか液体というモノができるんだ。
分子が整然(せいぜん)としかも隣(となり)同士が詰(つ)まっているものが固体。
当然分子は動けないよね。
これが固まって見えるということなんだ。
この時、温度はわりと低いか、液体の時よりも低いんだ。

分子がひしめき合って、窮屈(きゅうくつ)な状態(じょうたい)。分子は、じっとしている。
教室でみんながきちんと並んでじっとしている状態だね。
でも本心は動きたいんだ。
この分子の並(なら)び方がばらばらになると、隣(となり)同士の分子との間に隙間(すきま)がたくさんできるよね。
そうすると、分子の中にはちょっと動き出すものもいる。
分子というのは、動きたいものなんだ。
でもまだ全体の枠(わく)の中におさまっている状態、これが液体(えきたい)だ。
枠の中でも分子は動いているぞ。だから液体は形が自由に変わるんだ。
この時の温度は固体の時よりもずっと高いよ。
でもそれぞれのモノによってその温度には差があるんだ。

分子は枠の中で自由に動いたり、ばらばらにいる。
遊んでもいいけど、教室からは出ないようにしていなさいと、言われている状態(じょうたい)だね。
あ~、もう我慢できない!!教室から飛び出して校庭に遊びに行っちゃうぞ~と、みんなが勝手に動き出して外でもどこにでも飛び出していく状態が気体だね。
この時は、わりと高温だね。

あ~、もう我慢できない!! 教室から飛び出して校庭に遊びに行っちゃうぞ~
と、みんなが勝手に動き出して外でもどこにでも飛び出していく状態が気体だね。
ならば、鉄も気体になるかって?
もちろんなるよ!
でもあまりにも高温すぎて、普通(ふつう)では見られないんだ。
町工場でも見られないな。
3000度近くになると沸騰(ふっとう)し始めて空気中に分子が飛び出していくんだ。

飛び出した外の空気も3000度でないと気体ではいられないよね。
自然界ではありえないし、気体になった鉄は使いようがないよね。
金属(きんぞく)ではないけど、ガラスは普通(ふつう)の状態だと、固体に見えるよね。
でも、実は固体ではなく固体と液体の中間の姿(すがた)をしているということがわかってきたんだ。
だからちょっとのショックでも簡単(かんたん)に割(わ)れてしまうんだ。
ずーっとなぜだろうと研究していて、ようやく解明(かいめい)され始めたこと。
まだまだわからないことだらけなんだよ。
面白いね、研究するのは。
キミたちもどんどん疑問(ぎもん)を感じて、研究してくれたまえ!